富士登山 | 富士登山のリスク

 

富士山では毎年、様々な原因による事故が発生しており、死者や行方不明者が出ています。
その主な原因が経験不足・知識不足・装備不足や、体調不良、その他強行スケジュールによるものであることが多いようです。

事故の原因と対処法を詳しく知ることで、事故発生を防ぐことができます。
また、万一発生した場合もいち早く対処が可能となります。
ここでは事故(怪我等含)の例 原因と対処法を紹介していきます。

 

道迷い

原因1:ルート間違い
下山時に吉田ルートから須走ルートへ道を間違えて下山してしまうケースが多くあります。
案内板に注意することが大切です。

原因2:夜間登山による見落とし
夜間登山をすることで案内板を見落としこちらも下山道を間違えてしまうケース。

富士登山では山頂に向かう登山での道迷いはとても少ないです。
ところが、下山時は吉田ルートと須走ルートが途中まで同じルートのため、
分岐点の見落としによる道迷いがとても多く発生しています。
吉田口が山梨県なのに対して須走口は静岡県です。小さなミスが大きなトラブルという結果になってしまいます。案内板に十分に注意して下山して下さい。

 

骨折、捻挫

富士山の登山道は、岩場が多くとてもゴツゴツしているため、このような地形を歩き慣れていない人が小さなくぼみで上手く足を着地出来ずに、
足首を捻挫することが多くあります。ひどい場合は転倒して腕や足を骨折してしまう場合もあります。

捻挫を防ぐために:ミドルカットやハイカットの登山靴を履くことで、足首のサポートをしてくれるので捻挫を比較的防ぐことが可能です。
ただ、富士登山で初めて登山靴を履く場合、普段靴とは違い、足首が固定されているように感じるため、歩く時にとても違和感を感じます。
そのため、必ず事前に履き慣れることが大切です。

怪我してしまったら:怪我をしてしまったら、まず動くことができるのか?動けないのか?を確認しましょう。固定して動けるような状況であれば、
テーピングで足首を固定してゆっくりと下山して下さい。足首を固定する際に使うテーピングは「非伸縮」(一般的に白色)のものを利用して下さい。

また、骨折などでどうしても動けない場合は救助を要請して下さい。

 

低体温症

低体温症とは?
低体温症は体の内部(深部)の体温が35度以下に低下した状態を言います。
低体温症になることで起こる症状は具体的に以下のようになります。

◯軽度
・全身の震え
・呼吸が早くなる
・意識がはっきりしなくなる

◯中度
・筋肉の硬直
・錯乱状態
・反応がない

◯重度
・自発呼吸がなくなる

夏の富士登山でも低体温症になる可能性はあります。
山では100m標高があがるにと気温は-6度低下します。
真夏でも山頂ではマイナスを記録することもあるほど寒くなります。
それに加えて風、雨が重なると更に寒さが増し、真冬並に状況となります。
装備不十分により、寒さ対策が出来ていない登山者がこの状況下にさらされると、
低体温症になるリスクがとても高くなります。

でどうしても動けない場合は救助を要請して下さい。

真夏であっても雨具・防寒着を持参して寒さ対策を必ずしてください。

 

落石

富士山の地質はとても崩れやすいく、浮石がとても多いので落石事故がとても多いです。
過去には落石により、死亡事故も発生しています。
自分が落石の原因にならないためにも、必ず整備された登山道を歩くようにして下さい。
また、休憩する際にも浮石の多い斜面では休まないように注意して下さい。

万一、落石を起こした、または目撃した場合は必ず周りの人に大きな声で叫んで知らせて下さい。

 

落雷

山の天候は変わりやすく、1時間前まで晴れだったのに突然大荒れになることもあります。
雨であれば雨具で対応可能ですが、雷が発生した場合はすみやかに最寄りの山小屋へ避難が必要です。
実際に富士山では落雷が原因の死亡事故も発生しています。

 

▼救助要請先

救助を要請する際には近くの標識を探して地点番号を伝えてください。

連絡先→ 富士山5合目総合管理センター(吉田口5合目) 0555-72-1477
富士山総合指導センター(富士宮口5合目) 090-2182-2239